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スティーヴ・ライヒとの対峙9時間35分 ~ Steve Reich Works 1965-1995 

現代音楽の迷宮へようこそ。」で「Piano Phase」の実演を体験してしまってからスティーヴ・ライヒが気になっていた。

ミニマル・フレーズの限りない反復と、予め録音されたフレーズとの協奏。
ほんの少しずつずらしていくという、10分間の自分との戦い。
稀に美しいハーモニーが現れては消えていく。
良かった。


そんな矢先に中古屋の店先でこのボックスセットが目に入ってしまった。

10枚組。

ブックレット135ページ。

「Piano Phase」が収録されている。これが決め手となった。

念のため、市場価格をスマホでチェック。

それに比べるととってもリーズナブル。

で、購入に至る。



「Piano Phase」が収録されているDISC1には、単語のリピートや、
断片にしたり貼り合わせたりと、聴くにはちと辛い曲が続く。

1967年という時代を考えれば、それが先端を走っていたのだと想像に難くない。

このDISC1が最もアヴァンギャルドだと言える。

やはり「Piano Phase」は素晴らしい。


DISC2からは、とても聴き易くなっている。


そんな中、とりわけ異彩を放っているのが、この作品集で最も重要だと思うDISC8。

DifferentTrains1

まず「Different Trains」
ジャケットに写るSLは鉄道ファンにはたまらないものだが、
そんな想いと裏腹に、鉄道がナチによる大虐殺の運搬手段に使われていたという事実を叩きつけてくる。

表向きはシカゴからニューヨークへの列車という設定だが、それは
ドイツがオランダに侵攻という暗喩となっている。

ニューヨークからロスへの列車は
すなわちヨーロッパのホロコーストの“死の列車”となっている。

ホロコースト体験者の声のサンプリングも使われている。

汽笛がいつの間にかサイレンに変わっている。

鳴り続くサイレンと汽笛、汽車の走行音。

聞き取りにくい会話。

これは重い。

同じテーマでインディゴ・ガールズ「This Train Revisited」という曲がある。
メンバーのエイミーがワシントンDCにあるホロコースト博物館を訪れた際にインスパイヤされて
生まれた曲だ。
そんなことも思い出した。


同じDISCに収録されているのが、パット・メセニーのギターによる「Electeric Counterpoint」

これが、えも言われね美しさで全てが浄化されるような佳曲。


この作品だけでも聴く価値はある。
ライヒ/ディファレント・トレインズライヒ/ディファレント・トレインズ
(1996/10/10)
パット・メセニー、クロノス・クァルテット

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(「Three Movements」は収録されていません)



他にも

砂漠の音楽

マリンバ

などなど、様々な楽器で、色んな場所をテーマに豊かな音楽が続き
まるで何かのお手本のような気がしてくる。
いずれにしてもDISC1からは程遠い穏やかな世界が展開する。

ただし、DISC10で、DISC1の執拗なリピートがフラッシュバックする場面もある。


およそ1週間かけて聴き通したが、大変なことに気が付いた。
この作品集のタイトルは「1965-1995」、てことは1995年以降の作品は...ああ...。
良かったまだBOX出てない。

Steve Reich Works 1965-1995Steve Reich Works 1965-1995
(2002/01/18)
Steve Reich、Bang on a Can All-Stars 他

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